補足率の下がったJPEAの出荷統計

鈴木 そもそも、経済産業省の公表する2015年度の太陽光導入量は約9GWで、これは確かな数値です。しかも、この数値はパワーコンディショナー(PCS)の定格出力ベースです。パネル出荷量がこれを下回ることは絶対にありません。

 最近では、PCSの定格出力を超えるパネルを設置する「過積載」の比率は、1.4倍以上になることも珍しくないことを考えると、パネル出荷容量でみれば、10GWを大きく超えていることは確実です。

――確かに複数の民間調査機関による集計でも、2015年における太陽光発電システムの国内の市場規模を11GW程度と見ています。JPEAのパネル出荷統計が、実際よりも小さくなるのはなぜですか。

鈴木 昨年まで勤務していたので、やや言いにくいのですが、JPEAが捕捉できている国内の太陽光パネル出荷量は、国内の全出荷量のすべてではないのです。JPEAは現在、約50社からの情報を元に、国内での太陽光パネル出荷量を集計していますが、実際には50社以外に多数の海外企業が日本に出荷しています。

 設備認定の業務を代行しているJP-AC(JPEA代行申請センター)への登録ベースでは、設備認定された太陽光パネルのメーカーは約330社に達しています。つまり、JPEAの統計には280社ものメーカーが含まれていないのです。

 ただ、2014年度までは、この280社分の国内出荷量は多くなく、国内出荷量の数%に過ぎませんでした。それが、ここ1、2年で急増しているのです。1社当たりの平均出荷量は20MW程度とそれほど大きくないのですが、こうした多くの中小メーカーが出荷を増やしているのです。

――JPEAは、捕捉率を上げるための努力をしているのですか。

鈴木 もちろんです。継続的にコンタクトを取り、出荷量調査への協力をお願いしています。ただ、多くの企業は、日本に事務所がなく、中国など海外の本社に直接、電話などをすることなります。そうした企業はJPEA自体を全く知らないこともあり、理解を得るには容易ではありません。