洋上風力は3~4GWの開発可能性

――再エネ間の「ベストミックス」を考えた時、政府の想定は適切ですか。

木南 まず、構成比の大きい順が、太陽光、バイオマス、風力、地熱という順番であるのは適切に思います。ただし、想定値を見ると、風力は明らかに過小評価です。現状では洋上を0.8GWしか見積もっていませんが、潜在量はもっと大きく少なくとも3~4GWは開発できると見ています。

――太陽光は、新認定制度への移行で失効する分を考慮しても、「64GW・7%」という想定値から上振れしそうです。

木南 現在、政府は、太陽光発電に関して、政策的に「天井」を作って抑制しようとしているように見えます。太陽光の潜在量を考えると、2030年までに電源構成の10%程度を担うことも可能で、この段階で押さえてしまうのはもったいないように思います。もちろん国民負担から考えれば、コストを下げて導入することが大事で、いきなりの総量規制ではなく、低コスト化を促す方向で普及させるべきでしょう。

 例えば、今年から導入する入札制度が、仮に3年間、低調に終われば、18円/kWh固定での買取制度に戻すことで、不確実性が減って再び開発が活発化する可能性もあります。買取価格が10円台/kWhになれば、国民負担の課題も和らぐのではないでしょうか。

 政府は、パリ協定で掲げたCO2削減目標を達成するため、2030年に「非化石電源比率44%」を掲げています。これは原発(22~20%)と再エネ(22~24%)の合計です。原発の再稼働が遅れれば、再エネ比率を24%以上に高める必要が出てきます。その際、太陽光の推進策をテコ入れして、再エネ比率を積み増すことも十分に可能です。

 導入速度をオン・オフしやすい太陽光は、こうした再エネ全体の比率を最終的に調整する役割を持たせることも可能です。

――今後、国内のエネルギー政策の議論では、海外に比べて高止まりしている「再エネのコスト」が大きな問題になります。

木南 現在、日本で再エネコストが高いのは、国土の問題と歴史の浅さに起因しています。ドイツなど欧州に比べて高いのは、FITによる本格的な導入政策が遅れたからです。ドイツのFITは、2004年に約60ユーロセント/kWhだったものが10年以上かけて10ユーロセント/kWh以下まで下がってきました。欧州に比べて、政策のスタートが大幅に遅れたことを棚に上げて、導入5年のスタート時期の段階で「高い、高い」と言われても、フェアでない気がします。

 欧州の歴史を見ても、今後、国内の再エネコストは着実に下がってきます。すでに太陽光パネルなど主要機器に関して、内外価格差はなくなっています。住宅用を除いた、BtoBの世界では、海外の水準で調達できます。