巨額のファイナンスにひるまない

木南 FIT開始当初、メガソーラー建設費用に占めるパネルのコストは4~5割もありましたが、いまや2割程度まで下がっています。土木など施工コストの高止まりがネックになっていますが、これも東日本大震災の復興需要が一段落し、東京オリンピックが終われば、下がるはずです。そんなに悲観することはないと思います。

 とはいえ、風力発電のコストが、欧州のように陸上で4円/kWh、洋上で6円/kWh程度まで下がるかといえば、日本の風況や地形では難しいでしょう。ただ、一方で、日照に関しては、日本の方が恵まれています。その点でもやはり太陽光の可能性は大きいのです。

――レノバはベンチャーでありながら、プロジェクトファイナンスの組成によって当初から10MWを超えるような特別高圧案件に特化してメガソーラーを開発してきました。一般的には、まず2MWの高圧案件を手掛け、次に特高に取り組むのが普通です。

木南 特高案件、しかも数十MWもの大規模案件に特化したのは、メガソーラー事業に参入するにあたり、収支構造をシミュレーションし、最も投資効率の高い領域にターゲットを絞ったからです。億単位の費用のかかる変電設備の必要な特高案件では、3~4MW程度では投資効率が低く、10MWを超え規模が大きくなるほど収益性が高まります。

 また、規模の大きさを志向したのは、「新しい社会インフラ」の構築を目指してきた企業理念も背景にあります。これは祖業であるリサイクル事業(2016年8月に譲渡)から受け継がれています。廃棄物を埋めたり燃やしたりする施設をこれまでなかった「リサイクル施設」に置き換えることや、石炭火力や原発を「再エネ」という「ニューインフラ」に置き換えることで、地域社会や地球環境に大きなインパクトを与えたいのです。

 ただ、インフラの建設には、巨大なファイナンスが必要です。その巨額の投資金額にひるまずに真正面から向き合ってきました。ベンチャーがこの壁を乗り越えるには、プロジェクトファイナンスしかありません。総資産10億円の企業規模の時、50億円のリサイクル設備を建設し、その8割をローンで賄いました。その時の成功体験が、再エネ事業にも引き継がれています。

 最初に建設したメガソーラー(茨城県潮来市・15MW、千葉県富津市・40MW)では、2件で総事業費160億円となり、そのうち150億円近くをプロジェクトファイナンスで調達しました。当時の総資産は50億円です。総資産の3倍ものローンに成功したのです(図1)。

図1●「水郷潮来ソーラー発電所」
図1●「水郷潮来ソーラー発電所」
(出所:潮来市)
[画像のクリックで拡大表示]