ベンチャーが「プロファイ」に成功した秘密

――かつて、日本の銀行はプロジェクトファイナンスの手法に未熟で、過剰なスポンサーサポート契約を求めるなど、実質的にコーポレートファイナンスに近く、ベンチャー企業には組成が難しいとも言われました。

木南 確かに、FITスタート当初のプロジェクトファイナンスでは、苦労した面もあります。それを乗り越えたのは、信用力の高い企業とのアライアンス戦略です。潮来や富津の案件では、ミツウロコに出資してもらいました。また、太陽光パネルに国内メーカー製を採用するなどして、銀行からの要望にも応じました。

 しかし、その後、メガソーラーなどでの経験を元に日本の金融機関はプロジェクトファイナンスのノウハウを急速に高め、この5年で大きく変わりました。いまや国内の再エネ産業を支えているのは、3メガバンクを筆頭にした邦銀とも言えます。

 外資系の再エネデベロッパーなどが、海外の銀行からのローンで日本にメガソーラーを建設していますが、20年のシニアローンでは、間違いなく邦銀の方が良い条件を示してくれています。これは再エネを開発する日本企業にとって、隠れた強みになっています。

――10MWを超えるメガソーラーの場合、自治体によっては、条例による環境アセスメントの対象になるため、開発期間が1年以上伸びます。資金が寝ることを嫌って、開発規模を10MW以下に抑えるデベロッパーも目立ちます。

木南 栃木県那須塩原市のメガソーラー(約25MW)では、条例による環境アセスメントを1年間、実施したため、開発期間が伸びました(図2)。また、今年10月に着工した三重県四日市のプロジェクト(約22MW)ではフルアセスを実施したことで、着工までに4年を要しました。確かに経営的には資金効率は悪くなりますが、「インフラの建設に環境アセスは当たり前」と思っています。

図2●「那須塩原ソーラー発電所」
図2●「那須塩原ソーラー発電所」
(出所:レノバ)
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 「アセス逃れ」で開発規模を抑える企業が目立ちますが、そうなると立地選択の半分を捨てることになります。確かに、メガソーラー開発に乗り出したばかりの段階で、アセス案件にぶつかっていたら、躊躇していたかもしれません。幸いに40円/kWh案件では、アセスの対象にならない、相対的に開発しやすい立地を確保できました。

 その背景には、FITスタートに備え、他社より「半歩」、具体的には「半年」ほど、早く動き始めたことが、好条件の案件確保につながったと感じています。