EBITDA・1000億円が目標

木南 秋田市のバイオマス発電所では、輸入したPKSを3割 国産チップ7割でスタートしました。ただ、今後、稼働するバイオマス発電所では、輸入バイオマス9割、国産1割程度を予定していますが、この比率は確定したものではなく、方向性として、将来、国産チップの比率を増やしていくつもりです。本来、もっと国産チップを使いたいのですが、いまの林業政策のなかでは、十分な量を確保できないのが実態です。

 FITの買取価格では、輸入チップは24円/kWh、国産チップは32円/kWhと、すでに差を付けており、国産バイオマスを推進する仕組みになっています。しかし、一方で、林業活性化によるバイオマスの燃料政策がなかったため、国産チップを使いたくても十分な量が確保できないのです。

 バイオマス発電所が次々と稼働し、国産チップの需要施設ができたことで、今後、国産チップの供給体制が整っていくことを期待しています。

――大規模な再エネ案件をプロジェクトファナンスで開発し、レバレッジを大きく効かせていることから、天候によって収入が大きく左右されることはありませんか。

木南 確かに月単位で見ると、メガソーラーの発電量には、凹凸があります。今年8月は関東では長雨が続き、発電量が大幅に落ち込みました。ただ、好天だった九州の発電所は予算比110%だったため、全国平均では予算比88%の落ち込みで済みました。実は、この実績値は、予算比で過去最低でした。

 ただ、今年前半は空梅雨だったため、4~7月の発電量は好調でした。そのため今期上期で見ると、予算比102%となり、8月の不調をカバーしています。

 このようにレノバではメガソーラーが地域的に分散しているため、それが天候による影響を緩和しています。加えて、年間で見ると、時期的な異常気象の影響が相殺され、通年の発電量はほぼ予想通りに着地することが分かってきました。

――海外戦略と今後の売り上げ目標を教えてください。

木南 今年4月に海外で再エネを開発していくための社内体制を整えたところです。有望市場としては、今後、FITによる再エネ推進を打ち出しているアジアの国、具体的には台湾、ベトナム、インドネシア、フィリピンなどです。国内同様、大規模な案件を開拓していきます。

 交渉力のある現地のパートナーと組み、発電設備の設計・施工やファイナンスは、これまで国内で培った蓄積を生かしていきます。技術や金融のノウハウは国境を越えられます。その際、国内の金融機関が海外事業でもサポートしてくれることを期待しています。

 経営指標としては、まだ開発の初期段階にいるとの認識から、減価償却費を加えたキャッシュフローに近い概念である「EBITDA」を重視しています。投資額が大きく、償却負担の大きいインフラ事業では、純利益やフリーキャッシュフローよりもEBITDAの方が、企業の成長力を安定的に反映できます。

 2017年5月期の連結EBITDAは約50億円、今期は約60億円を見込んでいます。建設中の太陽光が稼働すれば、100億円を超える計画になっています。今後、計画している新規のバイオマス発電所がすべて稼働すれば約3倍の300億円に達する見通しです。さらに秋田沖の洋上風力の運開で500億円程度の積み増しなどを見込んでいくと、将来的にEBITDA・1000億円に達することも可能ではないかと思っています。

 レノバでは、再エネ事業の専業者として、しっかりとした社会インフラを担える規模に育ち、ノウハウをアジアに展開して発展していくことを考えています。