融資の組成、地域との連携を重視

――日本における太陽光発電所の開発で、BCPG社や旧・SunEdison日本法人の特徴を教えてください。

サイアムチャイ社長 BCPGが買収後、タイから赴任しているのは4人のみで、基本的に、SunEdison社の日本法人の役員・従業員に、そのまま力を発揮してもらっています。

 SunEdison社の日本法人時代に、発電所の開発のほか、O&M(運用・保守)まで自社で手がけるベースができており、これを継続しています。

 O&Mは、旧・サンエジソン建設である、ビーシーピージーエンジニアリングが担当しています。

 SunEdison社の方針として、EPCサービス事業者からO&Mまで、自社グループで手がけ、さらに、発電設備はできるだけ集中購買してコストを引き下げていました。ただし、日本では、自社でEPCを手がけず、日本の事業者に委託していた点が違いました。

 これは、BCPGがタイで採ってきた手法とほぼ同じです。開発した発電所を売却せず、運営し続けるという点でも、SunEdison社時代とBCPG社で共通します。

垂水町の花火大会に協賛
垂水町の花火大会に協賛
(出所:日経BP)

 開発における特徴は、すべての案件でプロジェクトファイナンスによる融資を受けていることや、立地する地域の地方自治体や団体・企業と深く連携して開発している点です。融資については、SunEdison社の財務状況から、このような方針で開発していたようです。

 地元との連携では、開発中から運用時まで、地域に根付く発電所となるように心がけています。これも、SunEdison社の日本法人時代から続けていることです。

 地域社会とのつながりを深めるため、その土地のお祭りに協賛する場合もあります。

――発電設備の選定について、教えて下さい。

サイアムチャイ社長 BCPG社、SunEdison社ともに、性能が良く、信頼性が高い設備を、できるだけ一括で集中購買するという方針は共通しています。

 これまでの日本での開発案件では、太陽光パネルは中国トリナ・ソーラー製を採用することが多く、パワーコンディショナー(PCS)はほぼ東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製を採用しています。

 トリナ・ソーラー製のパネルは、BCPG社がタイで開発した発電所でも、多く採用しており、信頼しています。TMEIC製のPCSもトップメーカーとして安心感があり、高く評価しています。

 BCPG社は、太陽光パネルについて大手メーカーとの提携を進めています。大規模な案件で、より効果的に調達するためです。