日本のO&M手法をタイに還元
――O&Mでは、タイと日本のメガソーラーで大きな違いはあるのでしょうか。
サイアムチャイ社長 大きく違います。日本の手法を、タイのメガソーラーの運営にも生かしていく方針です。
日本では、メガソーラーに保守要員が常駐することはほとんどありません。遠隔監視システムを使い、異常などを知らせる警報が通知されると、電気主任技術者が現地に向かって対応したり、夏に数回、草刈りするといった程度です。このため、O&Mに要する人数は、それほど多くありません。
これに対して、タイのメガソーラーは、数十人という規模の人員をO&Mに充てています。メガソーラーに併設する事務所や見学施設も、大規模なものとなっています。
日本の手法を導入することで、この人数を、3分の1程度に減らせるのではないかと想像しています。
タイのメガソーラーで、数十人という規模でO&Mを担う理由の一つは、草刈りにあります。
雑草の除草が課題となっているのは、日本と同じですが、タイの場合、一定の高さに伸ばして管理します。
地表近くまで刈ってしまうと、結晶シリコン型の太陽光パネルの温度が上がり、発電効率が下がる弊害が大きくなってしまうのです。
タイでは、地表がむき出しになっていると、輻射熱や反射光によって、パネルの温度を上げる効果が無視できません。雑草を一定の高さに伸ばしておくことで、この温度上昇を抑えています。
遠隔監視システムは、タイにも持ち込もうとしているのですが、日本で使っているシステム自体、改良が必要になっています。
SunEdison社の遠隔監視システムを使っていたためです。BCPG社による買収によって、そのままでは使えなくなり、変更する必要が出てきました。具体的には、ソフトウェアと通信用のゲートウェイを変えています。ソフトウェアについては、タイでカスタマイズにも取り組んでいます。