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患者が不安感を抱かないか

 院長の北川博昭氏は、「安全にロボットで搬送できれば、どんどんロボットに任せたい。我々は他の業務に専念できるようになる」と期待を示した。さらにロボットによる搬送記録の自動化にも期待する。「記録業務にかなりの時間を使っている。物を運ぶだけでなく記録までできれば、全体でかなりの時間を削減できる」とした。そのために今回は搬送品の出し入れの際に、RFID認証を使って、誰から誰に運んだかを記録できるようにした。

聖マリアンナ医科大学病院の院長の北川博昭氏(写真:日経xTECH)
聖マリアンナ医科大学病院の院長の北川博昭氏(写真:日経xTECH)
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 北川氏が課題として指摘したのが、「ロボットが病院内を動き回ることに違和感がないか」という点である。具体的には「患者が驚いて立ち止まったり、不安感を抱いたり、エレベーターでどちらが先に降りるかとまどったりすることがないか」といった点を挙げた。これらの点も実証実験で検証していく。

 報道陣に実証実験を公開した際には、本館の薬剤部で薬剤を積み込み、別館までの連絡通路を通り、エレベーターを経由してナースステーションに運ぶまでを実施した。ロボットは薬剤部の近くの充電ドックに待機しており、職員がRFIDカードをかざして薬剤を入れ、行き先を設定すると走行を開始した。

ロボットに薬剤を積み込む(写真:日経xTECH)
ロボットに薬剤を積み込む(写真:日経xTECH)
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 病院の地図情報やセンサーからの情報を基にロボットは廊下をゆっくりと進んでいった。見慣れないロボットの姿や報道陣のカメラに驚き、横を通ってもいいのか分からずに立ち止まる患者の姿も見られた。一方で入院患者を癒やす「勤務犬」のスタンダードプードルは、特にとまどう様子もなく、リードを握る職員に従ってロボットの横を通っていった。

報道陣とともに廊下を進む(写真:日経xTECH)
報道陣とともに廊下を進む(写真:日経xTECH)