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エレベーターで課題が明らかに

 本館と別館の連絡通路を渡り切ったロボットは、エレベーターの前で停止して通信機能でエレベーターを呼んだ。エレベーターの扉が開いてロボットが乗り込み停止すると、続いて報道陣を含めた関係者がエレベーターに乗り込んだ。

この後、エレベーターを降りることに(写真:日経xTECH)
この後、エレベーターを降りることに(写真:日経xTECH)
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 課題が見えたのは、その後だった。急いで搬送しなければならない患者がベッドで運ばれてきたため、乗り込んだロボットをエレベーターから降ろす必要が生じたのだ。急きょ、手動で操作してロボットをエレベーターから降ろし、再び自動走行のモードに切り替えて、エレベーターが戻ってくるのを待った。

 再びエレベーターに乗り込んだロボットは、目的の階で降りてナースステーションの前にたどり着いた。通信機能を使ってナースステーションの内線電話を鳴らし、看護師に到着を知らせる。RFIDカードを使って看護師が薬剤を取り出すと、ロボットがディスプレーの表示や音で喜ぶしぐさをしたため、看護師は思わず「かわいい」と言って笑顔になった。

看護師が薬剤を受け取る(写真:日経xTECH)
看護師が薬剤を受け取る(写真:日経xTECH)
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 薬剤の搬送を終えたロボットは、再び同じルールを通って薬剤部にある充電ドックに戻り充電を始めた。課題も見つかったが、院長の北川氏は病院のリニューアルまで数年あるため、「進化させる時間はある。今日はその第一歩だと考えている」と話した。実証実験を手掛けたNECネッツエスアイと共同で、ロボットによる搬送システムを進化させていく計画だ。

 北川氏はロボット自体の課題として、運べる荷物が少ない点を挙げた。「我々は物を運ぶ頻度が非常に多いため、将来的にどの程度まで拡張できるか」とした。実験に立ち会ったサヴィオークの担当者は、ホテルに続いて医療分野への適用に期待を示しており、今後は医療機関に適したロボットの登場が期待できそうだ。

搬送を終えて薬剤部に戻る(写真:日経xTECH)
搬送を終えて薬剤部に戻る(写真:日経xTECH)
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