生活場面を想定した自立支援システムへ
研究グループは医療機関と連携し、左半側空間無視の患者10人に対して、この介入の有効性を検証した。VRシステムによる6分間の介入を行う前後で、近位・遠位の左半側空間無視に関する検査スコアがどのように変化するかを調べた。検査項目は、多数の線分にチェックを付けていく線分抹消課題と呼ばれる検査など4項目である。
この結果、近位空間では有意差を認めなかったものの、遠位空間ではVRシステムによる介入の前後で左半側空間無視の優位な改善が得られた。
今回は即時的な介入効果を検証した結果であり、今後は長期間での介入効果を検証する。加えて「知覚と運動の組織化(連携・統合)に対する効果を検証していく。日常生活のさまざまな場面を想定し、自立した行動を支援できるシステムにしていきたい」と岩田氏と安田氏は話している。