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治療脱落を防ぎ、合併症抑制へ

糖尿病の治療継続者の推移
糖尿病の治療継続者の推移
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 糖尿病患者は依然増加しているが、「治療継続者の割合が減少傾向にある」と国立国際医療研究センター 糖尿病内分泌代謝科 研究所糖尿病情報センター臨床情報研究所 室長の坊内良太郎氏は指摘する。治療を中断すると、「糖尿病の合併症を発症しやすい」(植木氏)ことも懸念する。

国立国際医療研究センター 糖尿病内分泌代謝科 研究所糖尿病情報センター臨床情報研究所 室長の坊内良太郎氏
国立国際医療研究センター 糖尿病内分泌代謝科 研究所糖尿病情報センター臨床情報研究所 室長の坊内良太郎氏
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 外来通院中の2型糖尿病患者を対象にした研究では、通常の診療だけでは1年間で8%以上の患者が治療を中断することが分かったという。予定日に受診しなかった患者に手紙や電話で受診を呼び掛けたり、支援センターが食事と運動のアドバイスを行ったりと診療支援を行ったところ、治療中断率は3%程度に下がることが確認できたという。

 しかし、こうした取り組みは人手や時間を必要とするため、多くの医療機関で常に行えるわけではない。そこでIoTの活用で、「日本全体の糖尿病患者重症化を防ぐために研究していきたい」と植木氏は意気込んだ。