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国より早く着手

 内田洋行グループは「データヘルスという言葉を厚労省が打ち出す以前から、それと同じ考え方を保健事業に採り入れてきた」(松井氏)。背中を押したのは、健保財政のひっ迫だった。

 内田洋行健保では被保険者数の減少や前期高齢者納付金の増加などにより、保険料率を引き上げ。それでも2011年度には別途積立金が底をつき、法定準備金の取り崩しという事態にも直面した。こうした状況から「健保の運営や保健事業の内容にメスを入れようと考えた。特に、事務的作業に追われていた保健師に本来の仕事に集中してもらえる環境整備が必要で、そこにはデータという要素が欠かせなかった」(秋山氏)。

 まず2012年ごろに着手したのが、人間ドックの検査項目の見直しだ。健保が健診機関との契約などを一手に担うやり方を改め、健診運営を外部委託に切り替えた。臨床検査を手掛けるLSIメディエンス(当時は三菱化学メディエンス)と組み、「“メタボ化”していた検査項目をスリム化した」(松井氏)。生活習慣病やがんなど、早期発見によって発症や重症化を防げる疾患を重視し、そうでない疾患に関する項目や、他の検査でカバーできる項目は削った。受診者に提供してきた昼食も省き、コスト削減につなげたという。