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一般診療・外傷用の記載項目をそれぞれテンプレート化

 開発した電子災害医療診療記録システムは、大阪医療センターの救命救急センターで運用しているER経過記録システムをベースにした(関連記事1)。FileMakerで開発した同システムは、救命救急外来で行う診療行為のうち頻度の高いものを選び、高速入力用テンプレートを作成、リアルタイムに評価・処置・経過を入力できる。救命救急外来における診療行為の記録を短時間に多数記載できる仕組みとして、現場で十分に耐えうる高速な入力が可能となっている(関連記事2)

 電子災害医療診療記録システムでは、紙の災害診療記録の表紙(1号紙)、一般診療用(あるいは軽症用)、外傷用、2号紙(一般診療用・外傷用共通)の各様式を、「患者情報」「内科/軽症」「外傷/所見」「処置/検査」に区分し、それぞれをタブで分けた一画面で記載できるようにした。患者情報以外の画面には記載者の職種や氏名、所属先などの属性情報も併せて記載する。

 一般診療用として使用する「内科/軽症」画面では、バイタルサイン、主訴・所見、診断、処方など、多くの項目がチェックボックスをクリックするだけで入力できるようにし、短時間での記載を可能にしている。

患者情報の住所欄には避難所やテントなどの避難状況も記載できる。画面右端には所見・処置が診療ごとに経時的に表示される。
患者情報の住所欄には避難所やテントなどの避難状況も記載できる。画面右端には所見・処置が診療ごとに経時的に表示される。
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内科/軽症画面では一般診療用の記載項目の他、外傷とも併用するJ-SPEED項目も収載した。
内科/軽症画面では一般診療用の記載項目の他、外傷とも併用するJ-SPEED項目も収載した。
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 一方、紙の外傷用災害診療記録では初期評価、緊急処置と外傷評価の表裏に分けて記載する仕様だが、電子化災害診療記録ではそれぞれ「外傷/所見」と「処置/検査」に区分して各画面で入力する。「外傷/所見」の内容は、外傷初期診療ガイドライン日本版に則り、ABCDEアプローチ(A:気道評価、B:呼吸評価、C:循環評価、D:中枢神経障害評価、E:体温と脱衣)に基づき、救急専門医でなくても記載可能な初期評価フローをチェック方式で記載する。また、「処置/検査」の項目では、初期評価のそれぞれの異常に対する気管挿管、酸素投与、頭部CT検査など処置・検査内容をチェックおよび数値の入力だけで記載できるようになっている。

外傷/所見画面は、外傷初期診療ガイドラインにフローに従い、所見をチェックボックスで入力。
外傷/所見画面は、外傷初期診療ガイドラインにフローに従い、所見をチェックボックスで入力。
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処置/検査画面は、ABCDの異常に対する処置内容や検査結果を素早く入力できるよう工夫されている。
処置/検査画面は、ABCDの異常に対する処置内容や検査結果を素早く入力できるよう工夫されている。
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 電子災害診療記録システムの特徴は、外傷の所見および処置、内科/軽症の主訴や処置の各項目を入力した後、「確定」ボタンをクリックすると画面の右側にそれらの内容が診療日時とともにリスト化されて表示され、所見・処置を経時的に把握できる点だ。