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モニタリング、監査、利益相反などの項目を追加

 新しい倫理指針は、2014年度までの倫理指針「疫学研究に関する倫理指針」と「臨床研究に関する倫理指針」を統合・改定したものである。越後氏は新旧の倫理指針の注目すべき違いとして、研究の信頼性確保のために「モニタリング」「監査」「利益相反(COI:Conflict of Interest)」などの項目が第8章に追加されたことを挙げる。

 モニタリングとは試験中にその内容を随時確認・フィードバックして研究が予定通り行われているか調査する活動、監査とは第三者が一定期間ごとに研究内容を確認してその研究結果の信頼性を確保する活動である。そして利益相反は、外部との経済的な利益関係で公正かつ適切な判断が損なわれるおそれがあることを意味する。

 臨床研究において医師は「資金援助を受けている企業や機関に対して成果を出す」ことと「研究対象者(患者)の安全・人権を保護する」という2つの相反する義務を持つ。「これまでも利益相反は当然管理されなければならなかったが、その判断は個人や研究施設にまかされていた」(越後氏)。だが、新しい倫理指針では、「研究対象者である患者に利益相反に関する状況を説明する」などの手続きを通じて、利益相反を適切に管理することを求めている。