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 「多くのプレーヤーが遠隔診療に参入し、プラットフォームは出そろってきた。この次に求められるのは、このプラットフォーム上で『診断』や『治療』を実現すること」――。ニコチン依存症や非アルコール性脂肪肝炎(NASH)の治療向けアプリを手掛けるキュア・アップ 代表取締役社長で医師の佐竹晃太氏はこう話す(同氏のコラム:医師・佐竹晃太の「モバイルヘルス」で変わる医療)。

「診療の遠隔化」だけでは不十分

 国内外のデジタルヘルス事情に詳しい同氏は、2015年夏の厚生労働省の事務連絡以降、日本でも続々と立ち上がった遠隔診療サービスの有用性を認めつつも、その真価が発揮されるためには「診断と治療の機能を実装することが非常に重要」と指摘する。遠隔診療は対面での診療を“遠隔化”したものであり、同氏が重視する診療と診療の間の“治療空白”を埋めるものでは必ずしもない。診断と治療までが遠隔化して初めて、遠隔医療の一連のフローが完成し、普及に弾みがつくというのが同氏の見方だ。

治療空白を埋める仕組みが重要(提供:キュア・アップ)
治療空白を埋める仕組みが重要(提供:キュア・アップ)
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 例えば、米国などでは「診断の遠隔化」の試みが活発になってきたと佐竹氏は話す。聴診器や超音波エコーをスマートフォンと連携させ、院外でこれらの機器を使えるようにするような動きである。日本でも、遠隔での診断や医療関係者間のコミュニケーションを支援するアルムの「Join」が、単体ソフトウエア(アプリ)として保険適用第1号にこぎつけた(関連記事1)。家庭用医療機器で測定した血圧などのバイタルデータを、遠隔診療に組み込む動きもある。