PR

 「従来の臨床試験で見てきたのは、医学データの氷山の一角。きれいに見えているところを見てきたにすぎない。ビッグデータを活用することで、いわば寄り道しながら路傍の風景を眺め、さまざまなことを見いだせるようになってきた」――。国立がん研究センターが2016年1月に立ち上げた「社会と健康研究センター」(関連記事1)。予防や検診、医療経済などに関する研究を手掛ける同センターで臨床経済研究室長を務める石川ベンジャミン光一氏はこう話す。

 ここでいうビッグデータとは、臨床試験のような特別の条件下で集めたデータではなく、臨床現場で日々蓄積されているような日常のデータを指す。そのうち「現時点で最も使いやすいデータ」だと石川氏が話すのが、DPC(Diagnosis Procedure Combination:診断群分類別包括評価)のデータ。医療機関が入院医療費に関するデータを匿名化して厚生労働省に提出し、同省が集計して医療機関名入りで公表するものだ。実施された検査/治療、診断名を含む退院サマリー、施設機能に関する情報などが、全国統一の形式で収集される。

登壇した石川ベンジャミン光一氏
登壇した石川ベンジャミン光一氏
[画像のクリックで拡大表示]

 石川氏は厚生労働省の研究班メンバーなどとして、DPCデータとその活用に関する研究を進めてきた。2016年3月31日に東京都内で開催された「第2回 『ヘルステックの情報社会論』研究会」(主催:国際大学グローバル・コミュニケーション・センター、メドピア)に登壇。「医療分野におけるリアルワールドデータ活用の現状と課題」と題し、DPCデータの活用事例を紹介した(関連記事2)。