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 「インプラント(体内埋め込み)デバイスの中には、患部が修復された後はなくなってほしいものが沢山ある。体内で分解されて安全に排出されるインプラントデバイス用材料を実現したい」――。

 腸管の吻合(ふんごう)や血管の止血、胆管の閉鎖…。こうした、手術時の切開部を密着・保持させる用途に使う金属製クリップは、医療従事者にとってはやっかいな存在だ。治療後、生涯にわたって患者の体内に残ってしまうため、胆管に迷い込んで合併症を引き起こしたり、X線CT撮影時のアーチファクトの要因になったりするからだ。

向井氏の講演の様子
向井氏の講演の様子
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 材料工学のアプローチからこの課題を解決しようとしているのが、神戸大学大学院 工学研究科 教授の向井敏司氏のグループ。生体分解(吸収)性を備え、患部修復後に体内で“溶けてなくなる”金属材料の開発を進める。「2016 ワールド・アライアンス・フォーラム ITあわじ会議」(2016年3月25~26日、淡路市)に登壇した同氏が、その取り組みを紹介した。