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 国立循環器病研究センター(国循)とフィリップス・ジャパンは2018年5月10日、「ヘルスケアAI」への取り組みを中心とする戦略的提携を発表した。脳卒中や心筋梗塞などの循環器病の発症や重篤化のリスクを予測し、適切なタイミングで予防・治療するためのプラットフォームをAI(人工知能)を活用して構築する。

協定書への署名を交わしたフィリップス・ジャパン代表取締役社長の堤浩幸氏(左)と国立循環器病研究センター理事長の小川久雄氏
協定書への署名を交わしたフィリップス・ジャパン代表取締役社長の堤浩幸氏(左)と国立循環器病研究センター理事長の小川久雄氏
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 10日の発表会に登壇したフィリップス・ジャパン代表取締役社長の堤浩幸氏は、ヘルステック分野のリーディングカンパニーを目指す同社の姿を「フィリップス 6.0」と表現し、今回の提携は「ナンバーワンヘルステックカンパニーへの大きな一歩になる」と話した。国立循環器病研究センター理事長の小川久雄氏は、フィリップスが予防から診断、治療、ホームケアにいたる一連のヘルスケアプロセス全体に取り組む「世界的にも稀有な企業」だと提携の理由を説明した。国循はフィリップスとの提携を、健康・医療分野へのAI活用やオープンイノベーションの強化につなげる。

 両者は今後、「ベンダーニュートラル」と「AI/Analytics」をキーワードに協業を進めるという。前者では、医療機器の機種やベンダー、データ形式などに依存することなく、さまざまな医療・健康データを統合的に集め、AIで分析できるプラットフォームの構築を進める。後者では、国循が持つ医療データや臨床上の知見と、フィリップスが持つAIやデータ分析に関するノウハウを融合。循環器病の適切な予防や治療につながる新たな知見(Healthcare Insights)の創出を目指す。

 これらの取り組みに向けて、国循が2019年7月の移転に合わせて開設する産学連携拠点「オープンイノベーションセンター」にフィリップスが入居する。同センター内に「NCVC-Philips AI/Analytics Center(仮称)」を設置し、健康・医療分野へのAI活用に関する共同研究や、新たなヘルスケアソリューションの開発に向けた連携体制づくりに取り組む。