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AIに医療者の知見を取り込む

 健康・医療分野へのAI活用に向けて、フィリップスは「Adaptive intelligence」(アダプティブ・インテリジェンス)と呼ぶコンセプトを打ち出している。「IT企業のAIとは異なり、医療者の知見を取り込み、医療における新たな価値創造を目指す、ヘルスケアを主体としたAI」(フィリップス・ジャパンの堤氏)を意味する言葉だ。5月10日にはその基盤となる「HealthSuite Insights(ヘルススイート・インサイト)」の提供を開始し、国循との協業でもこの基盤を活用するという。

 具体的な共同研究テーマとしてまずは、冠動脈MRI画像に基づく不安定プラーク(冠動脈狭窄部)の評価、心エコー画像の時系列解析などによる心不全の長期予後予測、未破裂動脈瘤に対する増大・破裂予測モデルの構築などに取り組む。いずれも既に国循が研究を進めてきたテーマで、ここにAIやデータ分析に関するフィリップスの知見を取り込む。

 共同研究は、オープンイノベーションセンターへのフィリップスの入居を待たずに開始する。いずれも2~3年以内に具体的な成果を出すことを目指し、例えば冠動脈MRI画像に基づく不安定プラークの評価については2018年秋ごろまでに成果を出せる見通しという。健康・医療分野で「AIが具体的にできることを、ここまで明確に示した取り組みはこれまでなかった」と、フィリップス・ジャパンの堤氏は自信を示している。