目指すは「シンガポールのフードコート」
発表会に登壇した三井不動産 代表取締役の菰田正信氏はLINK-Jの狙いについて次のように語った。「分野を越えたつながりをつくり、“革新と挑戦のまち日本橋”を創設したい。ライフサイエンス分野の”都市型シリコンバレー”を目指す」。なぜ日本橋で取り組むのかについて、同社 ビルディング本部長 常務執行役員の植田俊氏は次のように語った。「昨今、高齢化や医療技術の進化に伴い、新産業の取り組みについて、行政の支援体制が整い始めている。日本橋は交通アクセスが良く、歴史的に多くの企業が集積し、各分野の有識者が集まっている土地。まさに“地の利、人の利、時の利”がそろっている」。目指すは「シンガポールのフードコート」。植田氏はそう語る。シンガポールにある医歯薬学総合研究の拠点、「Biopolis(バイオポリス)の中心にはフードコートがある。食事時になると、各研究者がフードコートに集まって、活発な情報交換が行われている。LINK-Jにも、エネルギーあふれる情報交換の場、事業創設の場になってもらいたい」(同氏)。
ライフサイエンス分野の多業種連携を目指す試みは、全国の地方自治体でも行われている。日本橋をその「情報集約拠点にできればと思っている。例えば、LINK-Jの拠点でアイデアを出したり構想を考え、研究や開発は日本橋の外で行うといった連携の仕方があるかもしれない」。
LINK-J 事務局長の曽山明彦氏は、「都市間競争が活発になっているなかで、日本橋が名乗りを上げることが国家レベルの成長戦略につながれば」と期待を寄せる。