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いすゞ自動車 バス商品企画 設計部 部長の長瀬吉夫氏
いすゞ自動車 バス商品企画 設計部 部長の長瀬吉夫氏
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 高齢化の波は、多方面に押し寄せている。日常の足を提供するバス業界もその1つだ。いすゞ自動車 バス商品企画 設計部 部長の長瀬吉夫氏によれば、高齢化に伴い、身体の不調を抱える“移動困難者”が増加している。車内事故による負傷者のうち、65歳以上が占める割合は55.5%にも昇るという。高齢者がバスを利用する際に最も気をつけるべき点は、転倒だ。加齢により骨がもろくなる高齢者の車内での転倒は、「骨折につながりやすい」(長瀬氏)。

 こうした問題に応えるべく登場したのが、乗車口から優先席までの段差をなくしたノンステップバスだ。ただし同バスは、バリアフリー性を重視した構造のため、地上高に制限があり、走行環境に制約があった。この課題を解決するために、高いバリアフリー性能を持つノンステップ車の乗降性と、ワンステップバス並みの高い走破性を兼ね備えたバスが求められているという。

 バスを運転する事業者側も、高齢化に伴うドライバーの労働力不足という課題に直面している。労働人口と大型2種免許保有者は、ともに2001年から減少しており、「2013年の大型2種免許保有者は、2001年に比べて15%減少している」(長瀬氏)という。