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便色で健康度判定

 胆道閉鎖症のサインとなるのが、赤ちゃんの便の色。健康な赤ちゃんの便は胆汁が混ざる影響で明るい黄色をしているが、胆汁が腸に流れなくなると、便が薄い黄色になったり白っぽくなったりする。2012年度からは母子健康手帳に「便色カラーカード」が収載され、それに照らして便色が異常と判断される場合は、病院を受診したり1カ月健診で報告することが勧められている。

アプリ画面例
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 ところが、便色カラーカードはその存在が「あまり認知度されておらず使用率が低い。判定する母親の主観によるバイアスも加わりやすい。母乳を飲ませたか、市販のミルクを飲ませたかによっても便の色は変わり、目視での判定は難しい」(星野氏)という課題がある。胆道閉鎖症は黄疸(おうだん)の症状を伴うものの、生後間もなくは「健康でも母乳性黄疸や生理的黄疸が見られることが多く、胆道閉鎖症との区別はつきにくい」(同氏)。

 実は星野氏自身が、胆道閉鎖症の子供を持つ母親である。従来の「主観的で原始的な判定方法に疑問を持った」(同氏)ことが、研究のきっかけとなった。その際に着目したのが、最近の親世代にとって身近なスマートフォンというツールだった。

 今回の臨床研究では、胆道閉鎖症および健康な子供の便色情報を大規模に集め、統計的に解析。胆道閉鎖症などの早期発見につながる便色判定システムを開発する。目指すのは、人間の主観によらない機械による自動判定だ。開発したアプリでは既に、胆道閉鎖症および健康な子供の既存の便色情報を学習データとした機械学習と、専門家の知見に基づく便色判別システムを使って、胆道閉鎖症の可能性の有無を客観的に判定できる段階まで来ているという。