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事前調整が欠かせない

 個人として、さらにはEDACとして稲田氏が被災地で取り組んだのがドローンの活用である。EDACはまさに今回のような災害時のドローン活用に向けて、同氏らが立ち上げた団体。ところが震災を目の当たりにした直後は「無力さを感じた」と稲田氏は漏らす。その無力さは「ドローンが飛ぶということが、命(を支えること)に直結していない」との思いからだった。

ドローンを展示
ドローンを展示
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 震災直後の混乱状態においては、ドローンを活用しようにもその「クライアントがいない」(稲田氏)という現実にも直面する。思い描いていたドローンの用途が「災害利用という、ぼやっとしたものだった」(同氏)ことに、被災地に身を置くことで気付かされたという。

 「こういうときにこう役立つというやり取りを、クライアントと事前にしておけばよかった」。この反省から稲田氏は、ドローンなどのテクノロジーを災害時に活用するには、関係者との事前の連携や調整が重要だと話した。

 震災直後には困難に直面したが、しばらく経つとドローンの活用機会は徐々に増えていったという。威力を発揮したのは、被災地の空撮。目的地までの道路の被災状況を把握したり、神社などの施設の被災状況を3次元で把握したりするような使い方だ。ドローンによる空撮には「地割れのある土地を撮影すると、その地割れの長さをソフトウエア上で割り出せる」(稲田氏)といった強みがある。撮影した映像を、小学校の授業の教材に使いたいとのリクエストも受けるようになったという。