亀田総合病院は、病理科と放射線科の専門医が一緒に総合的な画像診断を行う「遠隔デジタル画像診断センター」を亀田京橋クリニック内に開設し、2018年8月1日から運用を開始した。本院や提携する長崎大学などに在籍する両部門の専門医が、画像診断において遠隔でコラボレーションすることにより総合的で確度の高い診断を可能にする狙いだ。
今後は、同プラットフォームを活用してそれぞれの専門医の育成、あるいは“病理・放射線科医”とも呼べる総合画像診断医を育てていくことも視野に入れる。
「医療機関の枠を超えた診断手法の発信地へ」
亀田総合病院は、サテライトクリニックや長崎大学が開設した長崎病理医育成・診断センター(NEDCP)、兵庫県立淡路医療センター、愛知県のはるひ呼吸器病院などとネットワークを結び、デジタルパソロジーによる遠隔病理診断や病理医育成に取り組んでいる(関連記事)。今回開設した遠隔デジタル画像診断センターは、その一拠点として機能することに加え、「病理・放射線科」として両部門が融合した新たな診断ワークフローの構築を目指すとしている。
2018年8月18日に行われた内覧会において、医療法人鉄蕉会理事長の亀田隆明氏は、「病理科、放射線科の多くの情報を基に診断を行う際に、それぞれの専門医が高い専門性を持って交流できる環境を構築し、より確度とレベルの高い画像診断を目指す」と挨拶した。
遠隔診療や遠隔デジタル病理診断が保険医療の中で徐々に認められるようになったことを受け、「ICTの活用、さらにはAI(人工知能)の活用によって、亀田のみならず医療機関の枠を超えて新たな診断手法の発信地、放射線科医・病理医を育成する拠点としていきたい」(同氏)と抱負を語った。