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救急搬送時にも利用されるICカード

 まごころネットへのアクセスには、基本的に参加する関係者に配布したICカードでログインする。このICカードは、診察券として患者にも配布していることが、まごころネットの特徴の1つでもある。

ICカード (写真:皆木優子)
ICカード (写真:皆木優子)
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 東京医科大学八王子医療センターや東海大学医学部附属八王子病院、市内の二次救急病院など20数施設にまごころネットにアクセスできる端末・ICカード読み取り装置を設置し、在宅患者が救急搬送された際に患者情報にアクセスできる仕組みである。数井氏は「主治医に連絡がつかず、患者が救急搬送された場合にICカードの提示をもって診療履歴の閲覧同意とみなし、救急医療がスムーズに提供できるようにしている」と語り、多職種情報連携以外の効用がある点を強調する。

 また、八王子市医師会では病院救急車を高齢者搬送救急車として活用できる制度を整備している。それらの救急車内では、患者がICカードを持っていればパソコンからまごころネットにアクセスすることで、迅速な診療情報収集が可能になる。

訪問看護ステーションの様子。かかりつけ医とのコミュニケーション促進がチームケアにつながっている
訪問看護ステーションの様子。かかりつけ医とのコミュニケーション促進がチームケアにつながっている
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 現在、まごころネットに参加登録している施設は、24時間在宅医療支援体制を構築している在支診10施設を中心とするかかりつけ医、24時間体制の訪問看護ステーション13施設の他、訪問薬剤管理指導を行う調剤薬局、居宅介護支援事業所のケアマネジャーら。登録されている患者数は約400人で、「中心となっている10施設の在宅患者がすべて登録されると、500~600人」(数井氏)になるという。

 在宅医療における多職種連携で最も情報の共有やコミュニケーションが頻繁に行われるのが、かかりつけ医と訪問看護ステーションの訪問看護師である。従来、直接電話でのやり取りやFAXによる経過報告がなされていたが、その手段がまごころネット上で行われるようになり、電話やFAXの利用が明らかに減少したという。

訪問看護師の経過記録に必ずコメントを返すことが、モチベーション高揚につながるという
訪問看護師の経過記録に必ずコメントを返すことが、モチベーション高揚につながるという
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 「まごころネットを使ったやり取りは、単に報告・情報共有に留まらず、自分の書き込みに対するかかりつけ医のコメントがある。これが、コミュニケーションの促進につながっているという訪問看護師の声も多くある」。医師会事務職員は、このようにコミュニケーションの活性化効果を指摘する。