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病気を再定義、医療を再構築

 「病気」「老化」といった区分を捨て去ってしまえば、生命現象を明らかにするための医学研究のアプローチは、これまでとは大きく変わることになる。例えば「大きな意味を持たないとされてきた98%の遺伝子にも、宝のような情報が眠っているかもしれない。不老という現象についても、ゲノミクスだけでなく、人工知能やスパコンを使ってたんぱく質や代謝のレベルで解析することで、そのメカニズムを解明できる可能性がある」(齊藤氏)。

 この先、人工知能やスパコンのさらなる進化は、生命現象におけるn対nの対応を予測するような“仮説の立案”を可能にする。そしてこうした複雑な仮説の検証は、実験ではなくスパコン上の仮想現実(VR)空間で行われるようになる――。これが、齊藤氏の見立てだ。同氏は人工知能やスパコンの進化が医療にもたらす未来として、次の9段階を予測した。

 (1)AI・スパコンが、人間の医師の診断能力を上回る
 (2)AI・スパコンが、既存薬の新しい効能を発見する
 (3)AI・スパコンが、新しい診断基準・診断手法を確立する
 (4)AI・スパコンが、新しい治療法・治療薬を開発する
 (5)AI・スパコンが、新しい病気・病態を発見する
 (6)AI・スパコンが、病気の概念を再定義する
 (7)AI・スパコンが、生殖・成長・老化・進化の神秘を解明する
 (8)AI・スパコンが、医療と生命科学をゼロから再構築する
 (9)AI・スパコンが、生命体のリデザインを進める