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必要な検査・処方薬の提案も目指す

 「実際に臨床現場で活用できるようになるのは1~2年後」と石川氏は言う。製品化までに、来年1月ごろから自治医大の総合診療医に加え、複数の医師モニターに使い勝手を検証してもらう他、実臨床データをホワイト・ジャックが解析しやすいフォーマットに変換してデータバンクに登録することで、鑑別診断の精度を上げるよう改良を重ねる予定だという。

「問診や検査結果などのデータを加えて繰り返し疾患の確率を再計算させることで、その変化を診断の参考にしてほしい」と話す自治医科大学地域医療学の石川鎮清氏。
「問診や検査結果などのデータを加えて繰り返し疾患の確率を再計算させることで、その変化を診断の参考にしてほしい」と話す自治医科大学地域医療学の石川鎮清氏。

 また、現時点ではホワイト・ジャックが疾患ごとに示す検査項目と処方薬のリストは事前に登録したレセプトデータがベースとなっている。「今後、さらに実臨床に則したデータを基に推論をするシステムにするため、根拠とするデータを電子カルテの情報に切り替えていくつもりだ。その後は、鑑別診断に必要な検査を実施するように推奨したり、患者の症状に合った処方薬を提案できるようにメッセージを示す機能を追加していきたい」(石川氏)。

 さらには、データバンクとホワイト・ジャックの根幹である、鑑別疾患の頻度を計算する仕組みの開発と並行して、他の企業が開発するサービスなどを組み込んで使い勝手を向上させることも考えているという。

 具体的には、予診票の入力の際に、パソコンで入力したりタッチパネルで登録する以外に、AIを搭載した「Pepper」などのヒト型ロボットが会話を通じて入力支援を行うこと、診察室でのやり取りをAI搭載機器で録音・解析してカルテに自動登録する仕組みなども考えているという。

 そして、小児科や産科、実施できる検査項目が限られる在宅診療など、「診療環境に応じて使いやすいようにカスタマイズしたものも作成できれば、より使い勝手が増すだろう」と石川氏は話す。

 AIを活用した各種サービスが実用化すれば、医師の診療が効率化することは間違いない。「より精度の高い鑑別をするには、医師の問診技術や身体診察の技量、患者との信頼関係をいかに構築できるかが重要になる。AIによるサポートで医師の負担が軽減される分、問診や身体診察、患者との信頼関係の構築と言ったAIにはできない部分に時間を割くことが今後、医師に求められていくのではないか」と石川氏は話している。