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 操作をシンプルにし、使いやすさを追求するために、必要のない入力欄を表示しない工夫もされている。その一例が診療情報提供書と返書(紹介状の返信)の作成フォームである。診療情報提供書の作成時には、紹介先と紹介元の医療機関名・診療科名・医師名といった基本情報に加え、病名や紹介目的、既往歴、経過・検査結果などの記載欄が必要となるが、返書では所見や治療方針などをフリーテキストで書くのが一般的だ。そのため、紹介先・紹介元の基本情報と病名、およびフリーテキストの記事欄以外は画面に表示しない。佛坂氏は、「パッケージ型の電子カルテでは、単純な画面コントロールの設定・変更にも驚くほどのコストと時間を要することがあります。一方FileMaker Proでは、レイアウトオブジェクト(表示欄やボタンなど)の表示/非表示の設定は容易です」と、FileMaker Proの柔軟性や簡便性を高く評価する。

診療情報提供書の種類を選択することにより、オブジェクトをダイナミックに制御し、記載不要なフィールドは隠蔽する。
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診療情報提供書の種類を選択することにより、オブジェクトをダイナミックに制御し、記載不要なフィールドは隠蔽する。
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診療情報提供書の種類を選択することにより、オブジェクトをダイナミックに制御し、記載不要なフィールドは隠蔽する。
(左:診療情報提供書作成フォーム、右:返書作成のフォーム)

 記事ビルダは電子カルテではないため、診療録の電子保存における三原則(真正性・見読性・保存性)を厳密に満たさなくてもよいが、カルテとして残す情報と日々診療で利用するコンピューター上の情報の同一性は担保する必要がある。特に、作成した記事を出力後などに誤って削除しないようにしなければならない。そこで、条件式によるオブジェクトの表示/非表示設定を使い、患者一覧レイアウトにおいて患者を新規登録した後、患者番号や氏名などが入力されると、削除ボタン(ゴミ箱)が詳細画面への切り替えボタンに変わり、削除不能になるよう工夫した。削除ボタンが必要なのは、二重登録されたレコードの削除や、登録の際に間違った情報を入力したときのみ。さらに記事は修正履歴もとりつつ、削除しても、実際には削除された記事として別保存されるなど、データの保全管理を意識した仕組みになっている。「入力ミスの削除は可能にしつつ、不用意な削除を防ぎ、また、万一削除されたデータを確認したい場合にそれを可能にします」(佛坂氏)。