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音声病態分析を活用

 栃岡氏らは2015年7月~10月、運転による心の活性度の変化を調べるモニター実験を実施した。ここに利用したのが、光吉氏らが開発した音声病態分析の手法である。音声から発話者の感情を可視化し、それを基に「快活度」や「くつろぎ度」を算出するというものだ。

 実験は、ディーラー向け試乗会で20歳代後半~50歳代の男女174人を対象に実施。30分程度の運転による気分の変化を、音声による分析と主観的評価で測った。この結果、運転によって「快活度が高まることが分かった。クルマを操ることで人の心が元気になることが、データで裏付けられたことに自信を感じている」(栃岡氏)。

 将来は、運転者の心の状態を把握する機能を「軽トラックなどに搭載できるシステムとして普及させたい」と栃岡氏は話す。運転は「認知機能の向上にも貢献できるのではないかと考えており、そのメカニズム(の研究)にまで踏み込みたい」(同氏)。東京大学の光吉氏が音声病態分析による「世界まるごと健康社会」を標榜しているのになぞらえて、「クルマまるごと健康社会」を目指すとした。