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スマホを使って「失明のない世界を」

 最後に登壇したのは、慶応義塾大学医学部眼科学教室の明田直彦氏が代表取締役を務めるOUI Inc.(ウインク)。同大学眼科学教室の眼科医による医療ベンチャーである。一般内科医などにとっての「聴診器に当たるデバイス」(明田氏)と位置付ける、眼科医向けの診療支援デバイスを開発中だ。

 日本には約30万人、世界には約3600万人の失明患者がいる。そして世界の医療過疎地などで起きている失明の多くは本来、「適切な診断と治療で防げる」(明田氏)はずの症例という。眼科用顕微鏡や眼底カメラなどの診断支援機器が高価で、途上国などでは手軽に使えないことが大きな課題である。

OUI Inc.による発表
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Smart Eye Camera
Smart Eye Camera
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 そこで同社は、途上国などにも広く普及しているスマートフォンを使い、眼科医がいつでもどこでも必要な眼科診療を行えるようにすることを狙う。スマートフォンに装着することでさまざまなパターンの眼科診療を行うことができるデバイス、「Smart Eye Camera」を開発した。

 Smart Eye Cameraは、スマートフォンのカメラの焦点距離を調整するレンズやフィルターを搭載。スマートフォンに装着して使うことで、眼球の状態や感染症の有無、ドライアイの程度などを、精緻に観察したり動画で記録したりすることが可能だ。診療に使う専用スマートフォンアプリも提供する。

 さらに、このデバイスで撮影した映像を、専用アプリを介してクラウドサーバーに蓄積。多数の症例を集めてAI(人工知能)に学習させ、診断補助機能をアプリに追加することを構想している。

 Smart Eye Cameraについては既に、特許を取得済み。臨床研究などを通じて効果を実証し、医療機器としての承認取得を目指す。