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ようやく「スタートライン」

 京都大学大学院医学研究科 婦人科学・産科学教授の万代昌紀氏は、婦人科領域の状況を説明した。2018年度改定では、子宮体がんと子宮の良性病変(子宮筋腫など)に対するda Vinci手術に保険が適用された。

 婦人科のロボット支援手術に関しては、海外では既に豊富なエビデンスがあるという。米国ではロボット支援手術が婦人科の主流の術式となった。対して日本での実施例はこれまで多くなかったが、保険が適用されたことで今後は増える可能性がある。万代氏は「これからの婦人科手術の制度設計はロボットを中心に考えるべき」とし、安全性担保のための認定制度をいかに設計するかなどが課題になると指摘した。コストも依然として課題で、今回の保険適用拡大は「朗報だが問題は山積み」としている。

 安全性の担保については、万代氏だけでなくほぼすべての登壇者が課題だと指摘した。鳥取大学医学部 器官制御外科学講座 胸部外科学分野教授の中村廣繁氏はいくつかの課題を挙げる中で、安全性の担保や教育・トレーニングがとりわけ重要だと話している。

 シンポジウム座長で、今回の大会長を務めた帝京大学医学部 心臓血管外科教授の下川智樹氏は、今回の保険適用拡大はロボット支援手術にとって「スタートラインについたところ」だと締めくくった。