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利用者を獲得する営業の役目も

 では、カイポケの導入によって、実際に介護現場はどう変わったのかをみていこう。

 岩崎氏の運営するデイサービスでは、利用者がサービス提供を受けるフロアにiPadが置かれており、職員は利用者と話をしながらでも実績入力をはじめとする記録業務を行っている。「従来は、生活相談員や管理者が事務室でまとめて実績入力を行っていたが、現在はパートのヘルパーなどが入力した内容を確認するだけ。これは大きな変化で、生活相談員は家族との相談時間を増やすことができたり、地域活動にも専念できたりする時間を確保できるようになった」(岩崎氏)。

 また、デイサービスでは、利用者が施設でどのようなことをして過ごしているのか家族に伝えるために、1日の様子を記した連絡ノートといったものがある。「家族は、施設での利用者の様子が一番知りたいところ。本人も振り返ることを楽しみにしている利用者も多い。iPadで撮影した写真を貼付した連絡ノートだと、文章で伝えるより様子がよくわかるため安心する。職員も記入の負担が少ない」(中浜氏)という。

 一方、事業所運営の視点からの効用を中浜氏は指摘した。ケアマネジャーは毎月利用者宅を訪問するが、利用者がデイサービスで何をし、楽しく有意義に過ごせているのか、ケアマネジャーも連絡ノートから知ることができる。「利用者が充実した過ごし方をしていれば事業所の信頼を得ることに役立ち、連絡ノートがさらなる利用者紹介の営業をしてくれる」(同氏)。小規模な介護サービス事業所では営業担当を置くことは経営的に難しく、生活相談員などが営業を兼務するケースが多い。カイポケがその代役にもなり、利用者の増加、利益の獲得にも寄与するというわけだ。

 また、サービス実施記録や経費コストなどが日次でリアルタイムに把握できる点を岩崎氏は評価する。従来は月末・月初に毎月の売上を締めた時点でないと、経営状況を把握するのは難しかったという。「日次決算ができることは、経営の観点で大きな利点だ。また、1日どれだけの仕事をしたのか、どれだけ価値のあるサービスを提供したのか現場の職員も知ることは重要だと考えており、その情報提供としても役立つ」(同氏)。

 介護現場でのICT活用の意義は、現場の職員がどれだけモチベーション高く日々の業務に勤しめるかにある。そのために、業務や経営をいかに効率化し、ケアの質向上・維持につなげるかが重要だ。岩崎氏と中浜氏はそれぞれ、ICT活用によって「地域活動や家族の介護負担を軽減してあげたいという介護職に就いた想いを実現できるようになる」「職員が本来の業務に徹する環境ができ、介護職に対する満足感、やりがいが生まれる」と述べた。