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SNS機能を搭載し、2018年内に提供開始

 桜井氏らが試作したアプリには、(1)自分の状態記録、(2)SNS、の2つの機能を搭載する。(1)の自分の状態記録に関しては、複数の表情のスタンプを使ってその日の状態を記録できるようにした。文章ではなく、スタンプを利用することで継続して利用してもらえるよう工夫した。検証時には、記録したデータを診察時に医師に見せることもできた。

 (2)のSNS機能については、アプリ利用者が自由につぶやける場を用意した。その結果、体調が優れないときほどつぶやきの回数が増えることが分かったという。

試作アプリの状態記録画面イメージ
試作アプリの状態記録画面イメージ
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試作アプリのSNS画面イメージ
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 検証では、登録者のうち、その日にアプリを利用した割合を表すDAU(Daily Active Users)率を算出した。その結果、28日間の平均DAU率は50.9%で、半数以上の人が毎日アプリを使用していたことが分かったという。これは「Facebookよりも高い値」と桜井氏は話す。参加者の中には、化学療法を行っていた6時間、ずっとアプリを使用していた人もいたという。

 この検証から、「がん患者がこういうアプリを求めていることがよく分かった」と桜井氏は述べる。現在桜井氏らは、試作したアプリの機能のうち、(2)のSNS機能に絞ったがん患者向けアプリの開発を進めているといい、2018年中には提供を開始する予定だという。

 こうしたアプリが臨床現場で活用できるようになれば、「医師と患者のコミュニケーションが改善する」と堀江氏は期待する。さらに、好ましくない徴候である有害事象などの聞き取りにかかる時間が軽減できるため、外来の混雑や待ち時間を解消することにも寄与する可能性がある。デジタルでデータが収集できれば、「臨床研究の効率化も期待できる」と同氏は話す。