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ガイドラインとコストが障壁に

 村田氏は解決手段として、電子カルテのバックアップデータを遠隔地に保存することを検討し始めた。だが当初は「場所」「技術」「コスト」「法的要件」などの点で課題が多く、計画は難航したという。

 新しいバックアップシステムの導入に当たって重視したのは、次の5つの要件だ。(1)3省4ガイドラインの要件に適合する、(2)4G回線やモバイルWiFiなど、非固定のグローバルIPアドレスからでもVPN接続できる、(3)データがクラウド上でリアルタイムに複製される、(4)通常時のデータ複製やサーバー管理が自動化されている、(5)コストが妥当。

 大きな課題だったのは(1)と(5)。特に3省4ガイドラインの要件への適合については当初、「大丈夫といえるサービスが存在しなかった」(村田氏)。Microsoft Azureの採用を検討したものの、当時は国内に同サービスのデータセンターが設置されていなかったため見送った。その後、設置されたことを受けて採用を決めたという。

 この際には、東日本にあるデータセンターを利用することにした。大災害が起きても「九州と東日本で同時に大きな問題が発生することは考えにくい。西日本同士だと(60Hzを使う)電源構造が同じというリスクもあり、地域は東と西に分けた方が良い」(村田氏)と考えた。