行政の意見は?
髙谷氏:行政の意見は。
江崎氏:労組こそ、社員を幸せにすることが仕事。一番のステークホルダーであるべきという思いはある。しかし、日本がこれまでたどってきた歴史の中でどうしても対決型になってきてしまったのは、残念ながら企業経営者が求める形と労組が求める形にズレがあったからだ。
経済が成熟した中で、お客さんに幸せになってもらうことを考えるためには、まずは自分が健康で幸せでいる必要がある。そうすれば経営者と労組のベクトルが一致し、企業の文化も変わっていく。今や環境(CSR)に気を使わないと経営が成り立たない。それと同じことが健康経営でも示されていくだろう。そして健康経営が企業にとって成長していく上で必須の項目になっていけば、“さすが日本”となるのではないか。
安藤氏:実際、官庁でも意識が変わってきた。例えば今日の会合のように、最近ではいろんな場面で一緒の取り組みを進めている。何もこれは、厚生労働省(厚労省)と経済産業省(経産省)との連携だけではない。例えばまちづくりは国土交通省が提案しているが、そこにも健康づくりを採り入れていくべきだし、東京オリンピックに向けた公園整備は環境省が担っているが、公園内での健康、スポーツや健康づくりを視点に入れた環境づくりを進めていくべきだ。
それだけ「日本の健康づくりを何とかしなくてはならない」状況に追い込まれているということ。健康は人々の役割をつなげる大きな要素になる。その観点からも、これからいろんなステークホルダーがつながることが重要だ。