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なぜ健康経営銘柄?

酒匂氏:健康経営銘柄はデータヘルスより盛り上がっている印象。江崎氏はどう思うか。

司会を務めた髙谷氏
司会を務めた髙谷氏
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江崎氏:当初、東京証券取引所(東証)は健康経営銘柄に批判的だった。「なでしこ銘柄」に始まり、ブランドをつけることがブームになったので銘柄が殺到したからだという。この理由から「健康経営銘柄も1回限り」と言われた。

 ところがフタを開けてみたら、(健康に配慮し社員を大切にするという側面から)銘柄を指定された企業はホワイト企業の代表のようになった。そこから大きな反響を呼んで、問い合わせが相次いだ。東証も「2回目はいつですか?」と言ってくるほどの反響だった(笑)。

 そこで東証の大ホールで第2回の説明会を開催したところ、満員どころか立ち見まで出る盛況ぶりとなった。しかも1部上場企業のみが対象にもかかわらず、3分の1は中小企業が参加した。話を聞くと、ホワイト企業と言われることで、人材の確保に大きな差が出るのだという。ここまで金利が低いと、資金調達よりも人材確保が生命線になるのだと。

 1回目はエピソード型だったが、2回目はエビデンス型の審査に変更した。百数十問の長い質問に答えてもらうが、誘導型のため何が重要なのかが分かる。加えて我々は、全ての結果をレポートで返却している。「あなたの会社は、全業界の中の何番目、同業種の中の何番目、どこが素晴らしくて、どこが残念か」といった内容だ。アンケートの回答には手間がかかるが、このレポートを考えたら非常に取り組む価値があると思う。