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“かゆいところに手が届く”商品開発

 医療介護ものづくり研究会の前身となったのは、2014年度に名古屋臨床薬理研究所が中心となって行った名古屋市ヘルスケア産業参入支援事業だ。名古屋市立大学病院内の医療デザイン研究センターと協力し、これまでヘルスケアと関わりのなかった企業に対して参入支援を行った。

男性用収尿器「Mr.ユリナー」装着イメージ
男性用収尿器「Mr.ユリナー」装着イメージ
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 名古屋市に拠点を置く朝日産業は、同事業の支援を受けて男性用収尿器「Mr.ユリナー」を開発し、2016年1月に発売した。ファスナー開口部からズボンの中に同製品を入れ、クリップでズボン内部にチューブを固定すると、チューブの先にあるボトルに集尿できる仕組みだ。

 同社の調査によると、50歳以上の男性の4人に1人が排泄トラブルを経験しており、中には従来の排泄用具では不具合を感じる人もいたという。排泄トラブルは人に相談し辛いと感じる人も多く「心身に悪影響を及ぼし、高齢者の健康の見えない壁となっていた」(同社)。同製品の利用者からは、これまではマヨネーズ容器で収尿器を自作していたとの声も届くといい、確かな需要に対応できたと同社営業担当者は語る。

「ヒラメ筋電気刺激装置」のストッキング利用イメージ
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 2014年度当時、名古屋市に門を構えていた松栄電子研究所は同事業の支援で、ふくらはぎの血行を促進する「ヒラメ筋電気刺激装置」を開発した。同装置と接続した専用のストッキングを履くことで、電気刺激によって足関接部に圧力がかかり、ヒラメ筋の収縮を誘発するものだ。同製品はクラスⅡの医療機器に分類され、既に市販されている。

 同社 代表取締役社長の王焱(ワン イェン)氏は、同事業に参加したことで医療現場とのコーディネーションを受けることができ、「医学知識がある人からの評価を開発に役立てられた」と話す。今後は、整形手術後のリハビリへの使用を検討しているという。

 医療介護ものづくり研究会は、2014年の取り組みを参考にしながら、“かゆいところに手が届く”ような、現場のニーズに応えた研究開発を促していく。