歯科業界に特化した情報のハブに
「歯科市場で時価総額1000億円の企業を目指す」――。こう高らかに宣言したのは、WHITE CROSSの赤司氏だ。WHITE CROSSは歯科医療従事者向けの同名の情報サイトを運営。2016年3月にオープンしたばかりだが、「ユーザーは右肩上がりに伸びている」(赤司氏)。
自らも歯科医として5年以上の臨床経験を持つ赤司氏。メンバーには「歯科医療関係者とヘルスケアのプロフェッショナルから優れた人材だけを集めた」(赤司氏)。実地を経験した歯科医ならではの目線を加え、多面的な情報提供を目指している。
キラーコンテンツの1つが「アシスタント教育」。歯科医はその85%が開業医と言われ、「非常に小さな形態のため、新人スタッフが入ってきたとき、手順を教える時間やスキルが不足している」(赤司氏)。そこでサイトに登録してもらうことで、動画を交えたきめ細やかな基礎・実践講座を提供している。これにより、OJTで1年間かかっていた知識の習得がわずか1カ月ほどで完了したとの声もあるなど、高い評価を得ているという。
もっとも、1000億円企業を目指すには情報サイトだけの事業にはとどまらない。赤司氏は「現時点でWHITE CROSSに掲載されている情報は、メンバーが考えている内容の5%にも満たない」と語る。具体的には、歯科業界に限らない大手企業との連携、カード会社や保険会社との提携などを想定しているとする。
さらにその先に目指しているのは、アジアマーケットへの進出。赤司氏は、「世界レベルでは年間5%で歯科のマーケットサイズが拡大している」と述べ、今後はインドネシアやベトナムなどでニーズが拡大すると予測。「その市場にWHITE CROSSが情報企業として先陣を切って乗り込み、その上に連携企業の流通チャネルを重ねる。こうすることで、日本の歯科医療全体を輸出産業として活性化していくことができる」(赤司氏)。少数精鋭、高利益型のビジネスモデルを突き詰めながら、2019年にはIPOをもくろむ。