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病棟の可視化につなげる

 大阪警察病院 総合情報システム担当の小野律子氏は、入院患者に占める認知症患者やせん妄症状を示す患者の把握、褥瘡(じょくそう)の把握、口腔外科外来における減菌器械の請求状況の把握などに、電子カルテデータを利用した事例を紹介した。「私にはSE(システムエンジニア)のような技術はないが、データ抽出アプリケーションを自在に作ってくれる情報管理課の力を借り、Excelに抽出された膨大なデータをあの手この手で加工して使っている。これがだんだん楽しくなり、Excelのスキルが上がって“文科系や体育会系が多い”看護部で重宝される存在になりつつある」(同氏)。

 小野氏は、電子カルテのマスタ管理者として「入力しやすい、抽出しやすい、2次利用しやすい」電子カルテへと進化させることに努めているという。データは「入力する人がいなければそもそも存在しない。その入力の手間に、データ活用という形で報いたい」(同氏)。

 岡崎市民病院 医療情報室の中元雅江氏は、バイタルデータと電子カルテの連携に向けた、電子カルテデータの活用事例を紹介した。同病院では、電子カルテと連携可能な血圧計や体温計の導入を検討したものの、「全病棟の機器を一斉に交換することは難しい」(中元氏)。そこで、データ連携の重要度が高く、優先的に機器を入れ替えるべき病棟の判定に、電子カルテデータを活用した。

 使用したシステムは、診療データウェアハウス(DWH)と医事DWH、および看護日誌統計。使用したデータは、看護の経過表の観察項目(体温や血圧の測定値入力回数)、手術実施件数、看護必要度、機器の台数などだ。

 この試みを踏まえて中元氏は、電子カルテデータの活用には、活用形態に合わせたデータ格納や、検索しやすい形でのデータ格納が欠かせないと語った。看護記録の電子化によって「データ活用のリクエストは増えているが、活用には“ひと手間加える”必要がある」(同氏)。