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「全体像が見えてこない」

 香川県さぬき市にある「さわやか荘訪問看護ステーション」の香西ひろみ氏は、看護記録の電子化そのものがまだ進んでいないという訪問看護の実態を語った。同氏は1年ほど前までは医療機関に勤務しており、「訪問看護に場を移し、なんと紙が大量にあふれている現場かと驚いた」と語る。「医療機関ではICT活用が進み始めたのに対し、訪問看護ステーションのICT活用は後れている」(同氏)。

 香西氏は、まずは情報入力の電子化を進めることで、訪問看護においてもデータ活用への道が開けると話す。例えば、訪問看護の「利用者ごと、曜日ごと、ステーション全体でどのような看護が行われているかを可視化したり、それを人員配置やマニュアル整備に生かしたりできる」(同氏)。

 そうしたデータ活用を「やってみたいものの困っていること」(香西氏)として、電子カルテからのデータ抽出が個人単位を基本としていることなどから、看護サービス利用者の「全体像が見えてこない」ことを挙げた。現状の電子カルテはいまだに「請求業務を優先した仕組みで、看護を重視したシステムとはなっていない」(同氏)。看護業務に活用できるように電子カルテベンダーに注文をつけても、対応は必ずしも積極的なものではないという。