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「自分らしく旅立つために」をテーマに
「自分らしく旅立つために」をテーマに
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 「孤独死と呼ばれるのは、大きなお世話。『在宅ひとり死』と私は呼ぶ」――。

 ジェンダー論の代表的論客で、『おひとりさまの老後』などの著書でも知られる社会学者の上野千鶴子氏(NPO法人ウィメンズアクションネットワーク理事長)は、「第18回日本在宅医学会大会 第21回日本在宅ケア学会学術集会 合同大会」(2016年7月16~17日、東京都)の市民公開シンポジウム「自分らしく旅立つために」に登壇。「在宅ひとり死するために必要なこと」と題して講演した。

 上野氏は2007年に『おひとりさまの老後』、2015年に『おひとりさまの最期』と題する著書を発表するなど、近年は高齢者の介護や看取りに関する研究と発言を積極的に行っている。同氏がまず指摘したのは、2007~2015年の8年間に、「おひとりさま」つまり独居の高齢者が大幅に増えたこと。ベストセラーとなった『おひとりさまの老後』は「人口学的少数派に向けて書いたが、もはやそうではなくなった。これを私のせいにはしないでほしい。“時代が私に追いついた”のだと思う」(上野氏)。

 その上で「“家にいたい”は高齢者の悲願。8割以上の高齢者が“本当は家で死にたい”と考えている」と指摘。病院から在宅でのケア/看取りへと舵を切った政府方針に触れ、社会保障費抑制を狙いとする政府とは「同床異夢でもいい。それが高齢者の希望なら、在宅の受け皿を作りたい」と話した。