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PHRの実証、横断的な利活用も推進

 一方、PHRに関しては、総務省は具体的なサービスモデルの検証や、分野横断的にPHRを収集・活用するため情報連携技術モデルについて実証していくPHRモデル構築事業に取り組んでいる。「これまでに医療や健康に関するデータを利用するサービスが登場しているが、提供されたアプリの中でしか使えない。サービス横断的にデータを利活用できる環境をつくることが狙い」(田中氏)である。

総務省の田中一也氏
総務省の田中一也氏
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 具体的なPHRサービスモデルの開発として、日本医療研究開発機構(AMED)の一次公募で、次の4テーマが採択されている。(1)妊娠・出産・子育て支援PHRモデル(前橋工科大学、ICTまちづくり共通プラットフォーム推進機構)、(2)疾病・介護予防PHRモデル(千葉大学、NTT東日本)、(3)生活習慣病重症化予防PHRモデル(医療情報システム開発センター)、(4)医療・介護連携PHRモデル(山梨大学、日本医師会ORCA管理機構)の4事業だ。

 (1)は前橋市をフィールドとして、自治体保有の乳幼児検診や予防接種データ、産科医院の妊婦健診、お薬手帳データなどを関係者で共有して、母子への効果的な健康支援、迅速な救急医療などに活用する。(2)は神戸市・名古屋市をフィールドとして、介護保険情報や健診データ、個人のバイタルデータなどのPHRを基に個人の介護リスク指標を評価し、個人や地域の状況に応じた介護予防サービスの実現が狙い。

 (3)は西宮市・多久市をフィールドに、各機関から診察・検査データ、調剤データ、健診データと、個人のウエアラブル端末から取得するバイタルデータなどをPHRとし、疾病管理事業者による人的サービスと組み合わせて糖尿病の重症化予防に役立てる。(4)は大月市において、かかりつけ連携手帳の電子化して、医療機関や介護施設の情報、個人の血圧や体温データなどをPHRとして本人のスマートフォンに収集。転居先や災害時の避難先で提示して適切なサービスを受けられるようにするもの。

 また、サービスモデルの開発・実証と並行して異なるPHRシステム間で横断的にデータ活用できるPHRプラットフォームの開発にも取り組む。東京大学・国立保健医療科学院・藤田保健衛生大学が中心となり、個人を介したデータの分散管理PHRモデルの実現。佐賀大学と成育医療研究センターは、サービスの種類を問わずデータを統合的なデータベースで管理する集中管理によるPHR環境を実現するプラットフォーム技術の開発の2プロジェクトが進められている。