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「間違いなく減収する」

 一方、医業収入に関しては、「オンライン診療料とオンライン在宅管理料を合せても収入は間違いなく減収する」(小野崎氏)と語る。その理由を、通常の在宅診療、膀胱バルーン留置を行う在宅診療、在宅酸素療法を行う在宅診療の3つのパターンで比較、説明した。

 通常の在宅診療では、訪問診療月2回の場合は在宅患者訪問診療料(Ⅰ)と在宅時医学総合管理料2(在支診等)の合計で5366点になる。これに対して訪問診療1回+オンライン診療1回を実施した場合、訪問診療1回分の点数にオンライン医学管理料とオンライン在宅管理料(訪問と遠隔で算定可能)1回が加算され、3333点になる。

 「在宅患者一人当たり2万円の減収になる。訪問距離が9kmを超える場合の車代1000円(それ以外は500円)も半減する。さらにオンライン診療を2回にした場合は70点しか取れず、約5万2000円の減収になる」(同氏)。

 膀胱バルーン留置の患者の場合は、訪問診療なら在宅時医学総合管理料2(重症患者)(4600点)と在宅自己導尿指導管理料(1800点)を請求できる。しかし、オンライン診療ではこれらを請求できないため、合計で約4800円の減収になるという。

 在宅酸素療法を行う患者では、酸素濃縮加算装置(4400点)、酸素ボンベ加算(880点)、呼吸同調式デマンドバブル加算(300点)が遠隔モニタリングでも認められたものの、訪問診療2回に対し、1回をオンライン診療に代替すると1万813点となり約3200円減る計算だ。

 小野崎氏は「医療機関は減収する反面、患者の医療費負担は間違いなく削減できる」と語る。ただし、実証試験では患者宅に置くモバイルルーターの月額料金、ハートライン利用料やバイタル機器の代金は、市の事業として行ったため市が負担している。実運用になれば通信料は患者負担をお願いするしかない。

 そのため「一医療機関としてオンライン診療に取り組むとなると、減収が見込まれる中でどう補填するか大きな課題になる」(同氏)と指摘する。削減された移動時間を外来診療に向けたとしても、外来患者数がそれほど増えない地域で、オンライン診療を導入する難しさを訴えた。