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中小企業の医工連携、ベンチャーのバイオデザイン

 加藤氏は、医工連携は「中小企業を中心に進めるべきだと思うし、そうであってほしい」と語る。企業が持つシーズをいかに活用するかという点において、工学的知識と臨床現場の経験を併せ持つ臨床工学技士の視点が重要になると考えている。

 医工連携に似た概念として、米スタンフォード大学が立ち上げた教育プログラム「バイオデザイン」があるが、両者は「ビジネスモデルが全く異なる」と同氏は指摘する。医工連携は、中小企業の産業振興を目的としており、事業進行が比較的遅くリスクもあまり負えない。これに対してバイオデザインは、ベンチャー企業が利益を最大化するために行っている。投資によって膨大な資金を得られる場合も多く、事業進行が速くリスクや利益も大きい。

 さらに、バイオデザインはニーズ先行型で事業を行うのに対し、医工連携は企業のシーズがないと成り立たない。医工連携においてもニーズは大切だが、「いかにシーズとの整合性を取るかが鍵になる」と同氏は説く。

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