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「ロボットには個別化の問題がある」

 加えて、深刻な介護離職の一因ともなっている腰痛を回避する策としても有効だとする。ここで吉川氏は「日本ノーリフト協会」の例を示しながら、「抱え上げない介護や看護にも目を向けるべき」と訴えた。また、同じイベントでデモを行った米エクソバイオニクスのリハビリロボット「エクソGT」を引き合いに出し、「患者を一度も抱え上げなくていい。あれこそノーリフト」と評価した(関連記事)

 一方で吉川氏は「ロボットには個別化の問題がある」と指摘する。介護やリハビリの症状は千差万別のため、どうしても機器がオーダーメードになりがちなのだという。そこで鍵になるのが“インクルーシブデザイン(Inclusive Design)”の考え方だ。

 「例えば福祉、医療、スポーツなどの機器はサポートする項目を特化しているが、やがて汎用的な生活支援製品に発展することがある。例えば補聴器を思い浮かべてほしい。今ではインイヤー型の高音質なイヤホンがたくさんある。あれこそ補聴器のテクノロジーを進化させて、発展したケース。市場規模の大きさだけで判断してしまうのは非常にもったいない」(吉川氏)。

 自らも機器の審査に深く関わってきた吉川氏は、ビジネスプランを立てるときの注意点として「コンセプトが明確になった時点で法規制を意識した開発を進め、原理とリスクを正しく読み、適切な手続きを実施することが重要」と語った。そして最後に、「介護やリハビリの境界線がなくなりつつある。まずはリハビリセンターの様子をじっくりと観察することを薦める。誰がどんなことをしているのか、そして何に負担を感じているのか。1つひとつのことを着実にクリアしていく必要がある」(吉川氏)とアドバイスした。