技術開発力を製品まで落とし込む

――日本法人は2010年の設立で、2012年に固定価格買取制度(FIT)が施行される直前でした。日本の住宅用では、どのくらいの経験があるのでしょうか。

 FIT以前に、参入を試みていましたが、成功には至りませんでした。当時とは社長も代わり(陳氏は2014年に就任)、新たなスタートとなります。新たな製品、新たなビジネスモデルで挑みます。

 新たな製品では、トリナ・ソーラーは市場の要求に合わせて、さまざまな製品を提供していきます。太陽光パネルでは、n型とp型の両方の結晶シリコン型パネルを展開できるなど、標準的な製品や先端的な製品をニーズに合わせて販売していきます。

 それを実現できる研究開発力があり、単結晶と多結晶の結晶シリコン型の変換効率に関して、七つの世界記録を保持しています。また、バックコンタクト型である「IBC」を採用したパネルでは、2015年8月に、大阪産業大学のソーラーカーレース大会での4連覇という成果にもつながりました。

 今後、3~5年のロードマップに基づいて、n型セルにIBCを適用した太陽光パネルの量産を開始します。技術開発力を製品まで落とし込むことが重要です。

 日本の住宅環境に合わせた製品には、48セルの小型・高効率の住宅用パネルがあります。日本の住宅は屋根の広さに限りがあるので、従来の60セル、72セルのパネルでは、設置の制約が生じる場合があります。そこで、小型で高効率な太陽光パネルを使い、効率的に発電するニーズに応えられるようにしました。

 先端的な製品には、両面ガラス品もあります。樹脂製のバックシートに替え、裏面もガラスで封止するもので、長期信頼性がより向上します。

 誤解を生じないように紹介しますと、既存の樹脂製バックシートを使った製品も、25年間の性能保証を付けているように、信頼性は十分にあります。より過酷な環境に設置したり、より高い信頼性を求める用途などに、両面ガラスタイプのパネルを勧めています。

 両面ガラス品は、地上設置型にも使われています。特に農業向けで採用が広がっています。例えば、温室やソーラーシェアリング(営農型太陽光発電)です。ソーラーシェアリングは、太陽光を農業と発電で分け合い、農作物を栽培している上で発電する手法です。農作物による収入だけでは不十分な兼業農家などに、売電収入が加わることで、生活にゆとりが生まれます。こうした変革を実現できるように、技術開発に取り組んでいます。