薄膜シリコン型で35年以上の経験

 カネカの太陽電池の取り組みは、35年以上の積み重ねがある。1980年に、薄膜のアモルファスシリコン型の開発から始めた。薄膜シリコンは、ガスを原料に使い、化学反応によって形成することから、化学メーカーである同社の知見を生かしやすく、大阪大学の濱川圭弘教授との共同研究を始めた。

 1984年には、早くも実用化した。他の日本メーカーと同じように、電卓用などの出荷を始めた。滋賀工場(滋賀県大津市)を量産拠点とした。しかし、その後、供給過剰による電卓の市場環境の悪化により、生産を停止した。

 その後は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のプロジェクトに参加しながら、アモルファスシリコン型から、薄膜による多結晶シリコン型、タンデム型(図2)と、より変換効率の高いセルやパネルの開発を進めてきた。

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図2●太陽光発電所に設置されたカネカのタンデム型の例
図2●太陽光発電所に設置されたカネカのタンデム型の例
上は出力約999.8kWの「豊岡エコバレー・山宮地場ソーラー」、下は出力約677kWの「コウノトリ但馬空港地場ソーラー」。下は防眩仕様のもの(出所:日経BP)
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 タンデム型は、薄膜のアモルファスシリコンと、薄膜の多結晶シリコンによる2種類の薄膜シリコン層を形成する。アモルファスシリコン型は短波長の光を、薄膜の多結晶シリコン型は長波長の光を、それぞれ効率的に電気に変換する特徴がある。2種類のシリコンの特徴を生かし、より広い波長帯の光を電気に変換することで変換効率が高まる。