カネカでは、薄膜のアモルファスシリコン層と、薄膜の多結晶シリコン層の間に、透明の中間層を設けることで、より変換効率を高める構造を採用している。

 透明の中間層は、波長によって光を選択的に反射したり、透過したりする。短波長の光は反射し、長波長の光を透過する。これによって、アモルファスシリコン型のセル内には短波長の光、薄膜の多結晶シリコン型のセルには長波長の光を、より多く入光できるようになる。

 変換効率は、薄膜のアモルファスシリコンの単層タイプの8%から、多結晶シリコン層を加えたタンデム型で10%に、さらに、透明の中間層を挟むことで12%まで向上した。

 製品面では、主に住宅の屋根やビルの屋上などを想定した製品を拡充している。

 例えば、住宅の屋根向けの建材一体型である。瓦やスレートなどの屋根材を代替できるため、太陽光パネルの発電効率やコストだけでなく、施工性、意匠性、雨水の流れへの配慮など、住宅全体の設計や施工を効率化するといった利点も打ち出せる。

 カネカの薄膜系太陽光パネルの変換効率は、約12%まで向上したといっても、バルクの結晶シリコン系パネルに比べるとまだ低い。そこで、住宅全体への考慮や、本来は発電に不向きな北向きの屋根まで使い、できるだけ広い面積にパネルを設置できる製品設計など、バルクの結晶系と差別化できる商品開発に取り組んできた。

 同社では、本当の意味で「建材一体型」を実現している太陽光パネルメーカーは、同社を含めた数社に過ぎないとしている。

 2013年末からは、より高効率なパネルとして、一般的なバルクの結晶シリコン系も手がけ始めた。住宅でも、産業用のような大型のパネルを使い、出力10kW以上の太陽光発電システムを導入して全量売電する動きが、一時的に強くなってきたためである。

 バルクの結晶シリコン系は当初、パネルの半製品の状態で購入し、豊岡でジャンクションボックス、保護材などを実装し、パネルを完成させていた。2015年には、セルを購入する方法に変え、パネルに組み立てる工程を豊岡で担い、より上流工程から手掛けるようになった。こうして手掛け始めたバルク系と従来の薄膜系の技術を融合させたのがヘテロ接合型と言える。

 今後、バルクの結晶シリコン型、薄膜のタンデム型を、ヘテロ接合型で置き換えていく方針である。