ヘテロ接合型の量産でも、自社設計した同じCVD装置を使っている。単結晶シリコン・ウエーハの両面に、アモルファスシリコンの薄膜を成膜する(図3)。これまでの薄膜シリコン型の製造装置を使いながら、より高効率化できる。

図3●単結晶シリコンの上にアモルファスシリコンの薄膜を成膜して形成
図3●単結晶シリコンの上にアモルファスシリコンの薄膜を成膜して形成
54セルでパネルを構成。画像は「豊岡エコバレー・竹貫地場ソーラー」に設置されたパネル(出所:日経BP)
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 ヘテロ接合型のアモルファスシリコン膜は、出力を維持しながら、できるだけ薄く堆積させ、それを複数枚の6インチ(150mm)角のウエーハの全面に、均一に形成する必要がある。CVD装置の特性を把握していることで、効率や信頼性、安定性を満たしながら実現できるとする。アモルファスシリコンをできるだけ薄くする理由は、厚くなるほど太陽光の透過率が低下し、変換効率が下がるためである。

 2015年秋には、6インチの単結晶シリコン・ウエーハによる54個のセルで1枚のパネルを構成した、出力250W/枚の製品の出荷を開始した。変換効率は17.1%となる。豊岡市のメガソーラー向けは、その前に出荷した出力245W/枚の製品となっている。

 現在、60セルのパネルが主流になっている中、54セルの設計にしたのは、屋根への設置を主な用途に想定しているためである。

 出力は、現状の量産技術の改善などによって、変換効率を19.1%に高め、出力280W/枚まで向上できる目処がついているという。

 その後、さらに効率を向上できる手法として、太陽光を取り込むカバーガラス側の電極を、裏面のバックシート側に移すバックコンタクト式の採用などを検討していく。セルの構造が複雑になるなど、量産に至るまでの技術の成熟には時間を要する見通しである。