レーザーで除去、超音波振動によるはんだ付け

 豊岡におけるセルの製造は、例えば、タンデム型の場合、購入したガラス基板の受け入れに始まる。基板は白板ガラスによるもので、透明導電膜(TCO膜)が付いた状態で納入される。受け入れ後、まず、透明導電膜の不要な場所を、レーザーによる加工で除去(スクライブ)する。

 その後、CVDによって薄膜のアモルファスシリコンや多結晶シリコンを製膜する。薄膜シリコンも、製造するセルの設計に合わせて、不要な場所をレーザーで除去する。電極となる金属も薄膜で成膜(スパッタリング)し、同じように不要な場所をレーザーで除去する。

 このように、半導体や導電部を成膜し、不要な場所を除去することによってパターンを形成する工程を繰り返し、セルを製造する(図6)。

図6●第2工場におけるセル製造工程の一部
図6●第2工場におけるセル製造工程の一部
画像は絶縁検査装置(出所:日経BP)
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 薄膜シリコン型の場合、成膜とともに、レーザーによる除去も性能や品質に大きく影響する。

 セルのI-V(電流-電圧)特性は、薄膜シリコンや電極の幅や間隔によって決まってくる。薄膜シリコン部をできるだけ多く、発電をしない電極部をできるだけ少なくできれば、発電効率が増す。このための電極などの微細化は、レーザーによる除去が正確に実現できる範囲に留まる。

 レーザーによる工程は、いかに低出力で、微細な寸法を正確に除去できるかがポイントになる。レーザーの出力を抑えるのが望ましいのは、薄膜のシリコンや金属の性能への悪影響を抑えるためである。強い出力で除去するほど、薄膜の性能への影響が大きくなってしまう。

 また、電極となる金属材料は、不要な部分を正確に除去できていないと、絶縁不良となる。そこで、工程中にすべてのセルの絶縁を確認する検査を入れている。もし絶縁できていないセルが確認された場合、加工の条件を見直すなどの対策を講じる。